ブログフォーミー

頭の中の整理とストック用

逆算思考の私は

今会社経営をしている。近所の祭りのおはやしが騒がしく、読書もはかどらないので、つれづれに最近感じたことを書く。

 

私は幼少期から平均よりも低い経済環境の家庭で育ったこともあってか、まずは目標(貧乏を脱する)を定め、目標達成に必要なこと(いい大学にはいって、いい会社に入る)をリストアップし、タイムリミット(学生)までに必要なことを遂行していくといった形式で人生を過ごしてきた。

 

今の延長上に自分の幸せはないという確信の元に、どうすれば現状から抜けられるのかということばかりを小学校低学年の頃から考えていた。

 

具体的には小学校中学年の頃から、ビジネスマン向け雑誌の「会社別給与ランキング」や「出身大学別給与ランキング」を町の図書館で読み漁り、出身大学毎に将来想定されるであろう給与曲線があることを知り、地元の高校からは何名、いや、上位何%がいい大学に入れるのかを調べたり、今度は大学パンフレットから学部別就職先一覧を見て、どの大学のどこの学部にいくと自分の望む会社に入れるのかなどを夏休み中見ていたりしたものだ。

 

小6か中2くらいの時には、自分のアイデアを形にする仕事は企画・開発職といい、主には理系学部出身が配属されるという一文をみたり、文系出身だと配属される主な部署は営業職なので国際公務員目指して法学部に進んでも、企業に就職すると営業しかできない、などといった情報をつかんでは自分の10年も先ではない将来に一喜一憂した。

 

ここまで下調べをした上で、必要なバー(目標値)を設定し、その目標に向かって走りながら、やっぱり将来の夢はちがうのではないかとなど考えたりしてジグザグしながら小中高と少年期を過ごした。

 

自ずと高校時代に仲の良かった友達は志望校が定まっていて、それに向かって勉強する人間だった。学校から与えられた宿題をとりあえずこなしていけば、それなりの大学にいけるであろうというスタンスの生徒とは廊下ですれ違いざまに話すことはあっても一緒にファミレスで将来を語るということはなかった。

 

要は、コツコツ頑張っていればなんとかなるという考え方が僕には許せなかった。なぜなら彼は、目標を達成していない今でも親からお小遣いをもらい当時最先端のiPod白いイヤホンをつけて学校の門をくぐることができるのだから。僕にそれができるのは卒業生平均年収900万近くの大学に進学し、実際に世のサラリーマンよりも多く給与をもらい、奨学金のローンなどを返済した上で手元に5万円残るときだ。その日まで僕は白いイヤホンをつけて高校の正門もくぐれないし、銀杏並木のあるキャンパスの上も歩けない。

 

そんなコンプレックス?を持つ僕は何をするにも逆算思考で、積み上げ思考の人と気持ちが通ずることはなかった。

 

おかげさまで大学受験はうまくいき、それなりの面接での応対と課外活動の実績があればiPadを毎月でも買えるような企業に難なく入れる大学に入学することはできた。

 

そこには似た環境で育ってきた者もいれば、そうでない者もいた。ただ、大学受験で一定の結果を出してきたという意味では、ゴールを定めてそこに向かってシュートを決めて来た人間たちだ。

 

何を話すにも「こんなことをしたい。だから今これをやっている」といった類の応対があり、非常に気持ちのよいものがあった。

 

課外活動として選んだ体育会系の部活では、部としての目標は明確に定まっていたものの、目標が当時の実力からはかけ離れていることもあり、目標達成までのプロセスなりロードマップは不確実で、大学受験のそれに比べてはとても逆算思考とは言えなかった。目標と現状がかけ離れている故に、結果的に積み上げ思考になってしまっていたように思える。しかもそれなりに賢い人間が集まる集団なので、結果的な積み上げの先が目標に達していないというところに対してのはがゆさは苦痛でしかなく、その苦痛に対して向き合い、それでも目標に向かっていくことがその部での価値であったと思う。

 

閑話休題

 

私は今会社経営をしていて、積み上げ思考の人との会話、議論の仕方に課題を持っている。これはもしかしたら男女脳のちがいによるかもしれない。

 

目の前の課題を解決するために必死になると、どうしても積み上げ思考になりがちである。盲目にその課題解決に向かうと、後々悪手となるような判断をしてしまい、それがボトルネックになってしまうことが多々ある。

 

とはいえ、積み上げ思考に慣れたひとの思考回路を急に変えることは難しく、経営者、マネージャーとしてやれることは、自分で逆算したロードマップ上で積み上げ思考で働いてもらうことだと考えている。それも気持ちよく。

 

 

書きたいことは山々だが、予定よりもブログを書く時間が長くなってしまったので、締めくくろうと思う。

 

もう一度思考の整理のためにトライしたい。

 

なにぶん、文章の構成を配慮しない積み上げ思考で書いてしまったから。